お客様からお預かりした外付けハードディスク(HDD)をパソコンに接続すると、このようなメッセージが出力され、中味を見ることができません。
この場合、データ領域を管理している管理テーブルの破損、または、ディスク自体のバッドセクタ(セクタ損傷)の可能性があります。
修復方法はいくつかあります。
1.Testdiskという修復ツールで直す(強力な復元能力がありますが専門知識が必要になります)。
2.windows標準のchkdskを使う
3.復元ソフトを使用する
どの方法を試すにも、マスターのハードディスクに対し作業を行うのは厳禁です!
(1〜3、どの方法を使ってもHDDへ相当の負荷がかかりますし、不良セクタがあった場合は、ソフト自体がフリーズしてしまいます)
直すつもりでやった作業が元のディスクにとどめをさしてしまい、状態を更に悪化させかねません。
以前にも当ブログ内で書きましたが、当店ではまず、一番負担のかからない形で、マスターHDDの中味をそのままメンテ用HDDに完全コピーします(クローンHDDの作成)。
コピーはシーケンシャル・リードで行い、不良セクタをスキップする形で行われるので、マスターHDDへの負担は極力避けられます。
今回、お預かりしたHDDは、ポータブルタイプの500GBです。

最近のHDDは容量が大きいので、復元も大変です^^;
まず、中味を開けます、慎重にマイナスドライバーをケースに差し込み・・・
(お客様には「ケースを壊すかもしれないので」と言ってあり、同意をとってありますので、結構大胆になれますね^^ でもなるべく壊さないように・・・)

取れました\(^o^)/

ネジタイプのものは比較的容易に開くのですが、ラッチタイプは開けにくいです(>_<)
さて、あとは、セクタベースでコピーし、クローンHDDを作ります。
この作業は、ディスクの損傷度合いによっては数日かかることもあります。

今回は、4時間ほどかかりましたが何とかクローンが完成。
ここまでくれば、あとは、クローンを使って大胆に修復できます。
今回は、復元ソフトを使うことにしました。
当店には、修復ソフトを5種類用意してあります。それぞれ特徴があって、画像系に強いものやofficeソフト(word,excel等)の復元に強いもの。様々ですが、その中でも最もトータルバランスの優れた安定した復元能力を持つものを使いました。
このソフトはフォルダ構造をなるべく維持した形で、強力に復元してくれますのでお客様が一番望む形でお渡しできます。
しかもwindowsのみならず、LinuxやMacのフォーマットにも対応しているところが嬉しいですね!
で、肝心のデータの方ですが、無事取り出すことができました\(^o^)/
ちなみに、今回のケースでは、chkdskでも復元可能でした(クローンのクローンを作って確かめてみました)。
但し、復元できたファイル数に若干の違いが・・
●復元ソフトによる復元数
ファイル:128,580
フォルダ:8,498
●chkdskによる復元数
ファイル:128,417
フォルダ:8,466
復元ソフトの方がファイル・フォルダともに多く、さすが復元に特化したユーティリティだなと実感。
ちなみに、マスターHDDの状態検査をしたところ、やはり損傷個所が多数ありました。

これは、SMART値といって、HDDそのものが持っている自分自身の健康状態のようなものです。
赤丸、黄丸が異常値を示しています。正常であれば、全て青丸になっているはず。

こちらは実際に、HDDにアクセスしてみて、損傷があった個所。
同じく、赤くなっているところがセクタの損傷個所です。この場所は、データの読み書きができません。
今回は、お客様に、復元データを保存するための新品のハードディスクをご持参頂きましたので、そちらにデータを移行して作業終了です。
同じような現象でデータ復旧をご希望の方は、こちらまでご連絡下さい。↓
壊れたハードディスクのデータ復元はこちらから【仙台の福室PCサポート】
福室PCサポート
担当:佐藤
TEL:022−786−0266
メール:info@fukumuro-pc.com
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